皮膚薬についてQ&A
Q・先日、我が家の8ヵ月のロットワイラーと3歳のボルドーマスティフがケンカをし両方とも怪我をしてしまいました。
傷口から細菌が入り膿んでしまうのか心配です。抗生剤を購入したいのですが何を注文したら良いでしようか?(8ヵ月のロットワイラー体重30kg、3歳ボルドーマスティフ体重53kg)
A・専門家の回答
皮膚のけがの場合は、セフェム系の抗生剤がもっとも一般的です。
大きい子なので、リクセン600mg錠がいいと思います。1日2回、1回15mg~20mg/kgで飲ませてあげてください。
なので、30kgであれば、1回1~3/4錠、53kgであれば、1回1.5錠でいいかと思います。
薬がまれに合わないと、吐き気や食欲低下を伴うことがあるので、その場合は、服用を中止してください。
また、悪化があれば、早めに動物病院にかかってください。
Q・膿皮症にきくお薬があれば教えてください。
A・専門家の回答
セフェム系の抗生剤が第一選択で使用されます。
通常、2週間で効果を判定して、4週間くらい飲み続けます。
それでも改善がみられない場合は、動物病院にかかったほうがいいです。
また、通常、膿皮症は一時的に改善してなくなっても、多くの場合は、再発することがおおく、完全に治るということは少ないです。
Q・2,3ヶ月前から、疥癬みたいな症状が現れてきました。病院に連れていきたくても連れて行けないのですが、どの薬を飲ませたらいいのでしょうか?
A・専門家の回答
非常にかゆいのであれば、疥癬の可能性はあります。一番は、皮膚検査をして診断してもらうことです。
それが難しい場合は、レボリューションが改善に効果を示します。フィラリアノミの予防薬です。一ヶ月に1回レボリューションを垂らすことで、改善してくると思います。
改善が無い場合は、別の皮膚病かもしれません。レボリューションは、小型犬用から、大型犬用、猫用まで幅広く製品があるので、体重にあったものを購入してください。
Q・生後5週間が真菌感染の子猫について、掃除しまくりシャンプーはクロルヘキシジンを使い、人間の水虫薬ピロテースを塗っていますが、それでも、追いつかない勢いで子猫に広がっています。 飲み薬を使いたいのですが、アジー100mgは効果ないでしょうか。イトラコナゾールのほうがよいでしょうか。また、服用する場合、体重500gの子猫に与える場合、何mgを与えたら良いですか?
A・専門家の回答
アジー100mgは、抗生剤なので、おっしゃる通り、カビには効果がありません。カビ(皮膚糸状菌)に対しては、イトラコナゾールが第一選択で使用されます。
用量は、5mg/kgで1日1回です。ですので、500gの猫ちゃんであれば、1回2.5mgです。
子猫ちゃんに使用する場合、薬を飲んで体調を崩す場合があるので、もし吐き気や食欲不振等が強い場合は、服用を中止してください。
また、長期的には、肝臓の障害が懸念されるので、まずは1週間飲んだあと、パルス療法といって、3日続けて飲んで、その後3日休んでというような方法をとるといいかと思います。
服用期間は、毛がしっかり生えそろうまでなので、2ヶ月くらいはかかると思います。その間、適宜、いままでやってきていただいたように、部屋の掃除や消毒等つづけていただけるといいと思います。
Q・愛犬が両手・両足・お腹に痒みがあって、ノミ・ダニではないですが、どんな薬を購入すればいいのかを教えてください。
A・専門家の回答
今すぐこの薬を買った方がいいというアドバイスは難しいです。なぜなら、かゆみを引き起こす原因によって、薬や治療法が変わってくるからです。
具体的には、かゆみを引き起こす原因として、大きく、感染症とアレルギーがあります。感染症では、ノミやダニ以外にも、細菌によるものや、ニキビダニによるもの、カビによるもの、真菌によるものなどがあります。アレルギーでは、食物性や、アトピーがあります。
実際に、治療を始めるためには、まず、何かの感染症がないかどうかの、皮膚の検査をする必要があります。細菌が増えていれば、抗生剤、真菌が増えていれば、抗真菌薬という具合です。何も増えているものがなければ、感染症以外の病気を疑っていきます。
その他にも、薬が関わるもの(薬疹)や、かぶれ(接触性皮膚炎)、たいくつしのぎ(心因性)などさまざまな原因があるため、皮膚の状態をみずに、検査をせずに、薬を選択することはできません。もし、いまの病院でなかなか満足のいく説明と治療をしてもらえないのであれば、セカンドオピニオンといして、他の病院にも相談されることをおすすめします。
Q・アトピー性皮膚炎と診断されている犬に、アイチュミューンを買って服用しています。スプレータイプの痒み緩和薬と併用しても大丈夫ですか?
A・専門家の回答
アイチュミューンと、スプレータイプの痒み緩和薬の併用についてですが、皮膚の状態によりますというのが回答です。
スプレータイプの痒み緩和薬の有効成分は、ヒドロコルチゾンというステロイド薬です。外用薬で、局所で代謝されるために、全身に対する副作用が少ないため、ステロイドでよく言われるような全身に対する影響はほとんど問題ありません。
ただ、ステロイドは、免疫を抑えるため、吹きかけたところに感染が起こっている場合、感染に対する抵抗力が低下し、感染が悪化する結果、皮膚炎が悪化する可能性があります。感染が無い場合は、飲み薬とスプレーの併用効果により痒みが和らぐ可能性があり、併用を推奨します。
実際に皮膚の状態を見ていないので、確かなことはいえないですが、免疫抑制剤で、かゆみが比較的落ち着いているとのことなので、皮膚炎がそこまで起きてない状況だとすると、併用しても大丈夫な可能性の方が高いのではないかな?と思います。不安でしたら、一度かかりつけ獣医師の指示を仰いでください。
スプレーをあまりに高頻度にかけすぎると、ステロイドの副作用で、皮膚が薄くなったり、赤くなったりといった、皮膚病が起こる可能性があるので、かけすぎには注意し、何かおかしいなと思ったら、かかりつけでみてもらうようにしてください。
また、スプレーをかけた部分を気にしてなめる場合、ステロイドを経口摂取する結果となり、体調を崩すことがありますので、なめないように気をつけてあげるか、無理なら、スプレーを使うのをやめたほうがいいかもしれません。
外用薬で、全身の影響がほとんど無いとはいえ、ステロイド薬ですので、動物病院でみてもらう際には、どんな用事でみてもらう場合でも、ステロイドスプレーを外用している旨を必ず伝えるようにしてください。
Q・飼い犬の耳、背中やお腹にただれがあります。『アジー250mg』『ニゾラル2パーセント抗脂漏症シャンプー』『ニゾラル2パーセントクリーム』などを購入する予定です。自宅で可能な対処をお教えいただければ幸いです。
A・専門家の回答
おそらく、そのただれが細菌感染や、真菌感染が悪化して、皮膚が化膿している状態だと思います。
特に、耳の中は、耳の中イヤークリーナーなどできれいに洗浄しないと治りませんが、動物病院にいって、洗浄してもらうのは必要かと思います。
皮膚に対する治療ですが、シャンプーでさっぱりさせてあげるのと抗生剤の内服薬が基本です。クリームを塗るのは、局所的には良いですが、全身的にある場合は、なかなか使用しづらいですので、シャンプーで大丈夫だと思います。自宅で可能な対処については、シャンプーをしていただくことです。まずは3日に1回くらい、ご購入予定のニゾラル2%脂漏症シャンプーで洗ってあげてください。
ここで注意点ですが、シャンプーは2回あらってあげてしっかり、脂をおとしてあげてください。シャンプーは必ずしっかりおとしてください。
シャンプーのあとは、肌が乾燥してしまいますので、保湿成分のあるコンディショナーをつけてあげる必要があります。肌が乾燥すると、肌のバリア機能が低下し、感染が悪化する可能性があります。ペットくすりさんの商品でしたら、エピスースリンス&コンディショナー500mlなどを買って、シャンプー後に使ってあげてください。
一番重要なのは、体を洗ったあとは、しっかり乾かしてあげてください。しめったままだと、細菌や真菌の増殖しやすい環境となってしまいます。
抗生剤ですが、まずは、セファゾリンという、皮膚の細菌に最も一般的に使用される抗生剤がよろしいかと思います。商品でいうと、リクセン錠300mgです。アジーは、皮膚にも効きますが、強い抗生剤ですので、あまり使用はすすめられません。
ここで気をつけることは、本来ならば、真菌や細菌に対する治療は、皮膚の細胞を少しとってきて、何が感染しているかを顕微鏡でのぞいてから、それで、真菌や細菌がみつかったら、それに対する治療をするのが本来の流れです。顕微鏡でのぞいて、たとえば細菌がいなかったら、細菌に対する治療は必要ないからです。それから、細菌には耐性菌(薬に対して耐性をしめす菌)が多く、これも本来ならば、皮膚からとってきた菌を培養して、その菌に効果をしめす抗生剤をえらんでから使用すべきものです。
不要な抗生剤を使用してもいいことはないですので、ほんとならば、そのような流れがあることをわかったうえで、自己責任で抗生剤を使っていただくという感じになります。
そんなに多くはないですが、セファゾリンにも、まれに副作用がありますので、嘔吐や下痢がみられた場合は、使用を中止して、動物病院にご相談ください。